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昔の阪神競馬場の話(平成元年~平成2年頃)

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改装前の阪神競馬場

中央競馬から始めた私が初めて現地に行ったのは、阪神競馬場。まだ今の綺麗な改装後の阪神ではなく、鉄火場の雰囲気を残した寒い寒い(有馬記念の時のイメージが強いので寒い)、おっさんの戦場だった頃である。

寒さと負けを紛らわせるため、風に背を向けつつ、おっさんはカップヌードルを食べている。黄色い縞模様の筐体の自販機で買ったものだ。自販機にはお湯を入れる装置も内蔵されていて、これだけでうまいラーメンが食えるというやつだ。もちろん、私もいつもそれを食べていた。いつも負けていたからね。

改装後の阪神競馬場は、ご存じのとおり入り口へ近づくとまるで要塞に招かれたような錯覚に陥るほど、頑強で美麗な骨組みを見ることができる。完成された時は本当にびっくりした。競馬場というよりはオーストラリアのオペラハウスとか、そういう紳士淑女の集まるハイソな建物に見えた。(本来は競馬場もそうだけど。)

平成元年の春の天皇賞から競馬を始めた私だから、平成2年から改装工事の始まった旧阪神競馬場には、1年少ししか行っていないし、改装前の古い阪神競馬場の冬は、1回しか過ごしていない。それでも、とにかく寒かったという強烈な印象が残っている。

改装前最後の日

改装前の最後の日は、オグリキャップの壮行レースと言われた宝塚記念である。9月にアメリカで行われる、GIアーリントンミリオンステークスへの出走を予定しており、このレースは勝って当然で、勝ってそのレースへ弾みをつける。そういう位置づけのレースであった。

オグリキャップは、もはや伝説となったG1の連闘(!)を含む、秋6戦の疲れを取るための休養から開けた今年の初戦、安田記念では武豊を背にコースレコードで勝利し、通算獲得賞金額は当時の日本歴代1位となっていた。

そのオグリキャップには、この宝塚記念では当時若手ナンバーワンの岡潤一郎騎手が騎乗することになった。私も現場で観戦していたのだが、改装前の最後の日でもあり、オグリを壮行し若きホープである岡潤一郎のグランプリ初優勝(当時まだG1未勝利なので、G1初優勝)を祝う、阪神競馬場はそんなお祭りムード一色だったのを覚えている。

レースはBスタンド(そんな名前だったと思う。違うかも。)で観戦したのだが、ゴール板からはかなり遠く、ゴール前の馬たちはほとんどお尻しか見えない場所で、どうみても横一線にしか見えない。そんな位置だった。

オグリ勝った?

まだターフビジョンも今のように大きくなく、宝塚記念の最後の直線は、正直、何が勝ったか分からなかったが、周りの雰囲気はオグリ勝ったという感じだったし、勢いからしてオグリが勝ったと私も思った。しかし、馬の位置がよく見えるゴール板近くの向こうのスタンドは、どよめきというか唸り声というか、異様な雰囲気が漂っていた。

どうも負けたらしい、オサイチジョージを交わせなかったらしいと分かり、少し残念な空気が流れた。しかし、当時は馬券が単複と枠連しかなく、売れていたのは9割方枠連だったから、オグリが2着でも馬券は当たったという人間が多かったようで、そこは現金なものでオグリは残念だったか馬券は当たったからまあいいや。という感じもあり、オグリが負けてもそこまで意気消沈という感じにはなっていなかった。

そして、最終レース後は、改装前ということもあって馬場が解放された。私も芝コースを歩き、持ち帰ってよいとされた、外ラチに置いてあった黒いビニールに入った花をひとつ、持って帰った。コースを歩きながら「夏草や 兵(つわもの)どもが 夢の跡」という芭蕉の句を思い浮かべていた。

岡潤一郎のこと

もう、30数年以上も前の話である。オグリキャップは2010年に亡くなっているし、3着だった私の大好きなヤエノムテキもその4年後の2014年に29歳で亡くなった。騎乗していた岡潤一郎は、翌年(1991年)リンデンリリーでG1初勝利をおさめる。

しかし、それは最後のG1勝利ともなってしまう。1993年1月30日、岡潤一郎は落馬により意識不明の重体となる。懸命の措置、ファンの祈りも空しく、2月16日、24歳の若さで殉職してしまう。今(2025年)生きていれば、私のひとつ上だから57歳となっているはず。

どれだけの騎手となり、どれだけの成績を残していたか…阪神競馬場、改装前の最後の宝塚記念を思い出すと、岡潤一郎のことを必ず思い出す。あの宝塚記念で勝っていればまた違う未来があったのかもしれないと。

著者プロフィール
このブログの運営と記事作成をしています。

Diomed(ダイオメド)といいます。1969年生まれのおっさんです。
競馬や馬券のこと、その他ギャンブルにまつわる話を思いつくままに書いています。

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