2025年秋の天皇賞
2025年秋の天皇賞は単勝オッズ2.7倍の1番人気、マスカレードボールが人気に応え、鞍上のルメール騎手はG1の3週連続勝利となった。乗ったルメール騎手が上手かったのは当然であるが、レース展開などにはファンや記者などから少し不満の声も聞こえてきた。
まずはネットで見たファンの意見だが、要するに逃げるであろう(逃げ宣言もしていた?)メイショウタバルの武豊に対して、忖度なのか誰も競りにいかず逃げさせてしまっているのはどうかという話である。結果的にそのせいで超のつくスローになり、タスティエーラ(8着)などが全くいいところなくレースを終えたという。
とはいえ、楽に逃げさせてもらったメイショウタバルも6着に沈んでおり、武豊の思いは分からないが、もう少し早いペースで逃げてこそ、馬の良さが引き出されたのではないか。そう考えると本当であれば誰も競りにいかない状況であっても、もう少しペースは速かったはずだった(速くすべきであった)のかもしれない。
松浪大樹&山河浩 私たちはこう見た
ただし、こういう展開になることは予想されたし、またよくあることでもあるから、それを踏まえた上で予想して馬券を買うのが正解であって、文句を言うのも筋違いなのではないか。それはさておき、まずはもう一方の記者からの苦言?を見てみよう。大スポの【松浪大樹&山河浩 私たちはこう見た】という記事の要約を記す。
競馬だから仕方のない面もあるが、頂点のレースは締まった流れで、タフさを競う競馬が見たい。探り合いみたいなレースになってしまった。
枯れ葉が落ちていくような、力の足りない馬が1頭ずつ脱落していくような、そんなサバイバル戦、スピードと切れにスタミナまでも求められる東京の2000mだからこそ、それを期待していた。
こうなってくるとポジションは関係なくなる。単純なスピードの序列だけになる。スロー=先行馬有利ではない。
ここまで遅くなると追い込み馬でも差せる。結局はトップスピードの序列。ただ、このレースは度が過ぎる。
確かに、最初の3ハロンが37秒1で、ラップの上がりやすい2ハロン目でも12秒3。未勝利戦でも見られないようなどスロー。そして、ラスト3ハロンが10秒9―10秒9―11秒1で、上がり最速のシランケドはなんと31秒7。なお、 良馬場で1000m通過が62秒台だったのは、2005年のヘヴンリーロマンス以来という。
ただ、自分が見たいレースというはこうだというのも理解できるし、頂上のレースで持てる力の全て使いきる、そんな力のぶつかり合いを見てみたいのも分かる。しかし、あくまで陣営の目標は「レースに勝つ」ことであって、いいレースをすることではない。そこは見ている者とやっている者の温度差はある。
競馬は逃げ馬でなくて、追いかける馬がレースをつくっていることを思い知った。 逃げ馬は関係ない。競りかけられたら、勝手にペースは上がるんだから。
これにはなるほどと思った。レースもペースも逃げ馬が作っていると思っていたが、確かに実は追っかける馬が作っているとも言える。これが武豊があまりのスローで逃げてしまった原因なのかもしれない。とはいえ、じゃあどうしたらいいのかというと、全馬が困るところだろう。
競馬の魅力とは
とまあ、私もつとめて冷静に書いてはいるが、やっぱりいいレースをもっと見たいし、正直こんなレースばっかりやっていると競馬の魅力は薄れていくような気がする。こんな展開も予想して馬券を買うべきという事も言ったし、それは心からそう思うが、それは馬券の話であって競馬そのものの話となると別だ。
こんな私でも数十万の配当を当てたこともあるし、読んだとおりの展開になった会心の馬券もある。しかし、思い返した時、頭に浮かぶのはその時のレースではなく、オグリキャップの引退レースだったり、ナリタブライアンとマヤノトップガンの一騎打ちである。
最後になるが、「おっそいわ!」と叫んでペースを上げ、流れを読み切り完璧なタイミングで仕掛けたルメール。これで3週連続のG1勝利となり素晴らしいの一言であるが、これが日本の若手だったらとしみじみ思う
それこそ、3位に入線したジャスティンパレスと団野騎手、ベテラン馬と若手騎手の組み合わせで人馬ともに3位という成績、それはそれで立派であるが、団野騎手にはさらなる高みを目指し、G1を3連勝するほどの活躍を見せてほしい。

