PR

鶴丸と「ツルマルミマタオー」

競馬
スポンサーリンク

漢字にできる馬名

戦後期の日本競馬を代表する競走馬シンザン。クラシック三冠を制し、その後も当時のG1級レースであった宝塚記念、天皇賞(秋)、有馬記念を全て勝った名馬である。引退までの19戦全てで連対(19戦15勝、2着4回)しているが、これは未だ破られていない連続連対数の中央競馬レコードである。

なお、連続連対数の2位はビワハヤヒデの15連続。連対率100%となると、12連続のダイワスカーレットとなる。ちなみに、ビワハヤヒデは引退レースとなった天皇賞(秋)の5着だけが連対できなかったレースである。

シンザンの名前は、名づけを依頼された武田文吾調教師の孫である「栗田伸一」から取った「伸山」からきているが、その成績から新聞などでは「神山」などと書かれたという。一方、タスティエーラやクロワデュノールといった最近のダービー馬などは、そうやって漢字にするのは難しいだろう。

ただ、タスティエーラはイタリア語の「キーボード」だから「鍵盤」か「鍵盤楽器」、クロワデュノールはフランス語の「北十字星」だから漢字にできなくもない。しかし、見ただけで漢字が思い浮かんだり、当て字ができる名前は、私のようなオールドファンにはたまらないし懐かしい。

鶴丸三股王

「鶴丸三股王」と書くとまるで古墳から出土された刀剣に書かれた、かつての王様の名前のようだが、私の年代(1969年生まれ)の競馬ファンならこれが「ツルマルミマタオー」というクラシックを沸かせた名馬がすぐに頭に浮かぶはずだ。

ツルマルミマタオーは、1989年にデビュー戦となる新馬戦を勝ち、小倉3歳Sでは9着と大敗するも、野路菊S(OP)もみじS(OP)を連勝し、阪神3歳S(GI)で1番人気(3着)となった関西の期待の星であった。その勇猛な名前や後方から一気に追い込む脚質から、成績以上に人気のある馬だった。

馬名は冠名である「ツルマル」に、馬主である鶴田任男(つるたたかお)と調教師の橋口弘次郎の出身地である宮崎県三股町(みまたちょう)の「ミマタ」からきている。地元である「三股町」の名前を全国に広めようということから付けたというが、ツルマルミマタオーはその期待に応える活躍をみせる。

クラシックを勝つことはできなかったが、三冠レース全てに出走し、皐月賞9着、ダービー4着、菊花賞5着と全て一桁着順だったのは立派である。弥生賞では、後に宝塚記念を勝ちオグリキャップの引退レースでの「ライアン!」(大川慶次郎)でも有名になった、メジロライアンの2着と善戦している。

ツルマルミマタオーが1番人気(3着)だった1989年阪神3歳S

グリーングラス産駒

ツルマルミマタオーは、元祖3強のTTGの一角であるグリーングラスの産駒であったことも人気の一端であった。グリーングラスの代表産駒といえば、京王杯オータムH、CBC賞を勝ったトシグリーンか、金杯とAJCCを連勝したトウショウファルコといったところだろうか。

獲得賞金もこの2頭がワンツーで3番手がこのツルマルミマタオーであるが、怪我さえ無ければツルマルミマタオーがG1を勝ち、代表産駒になっていたかもしれない。トシグリーンとトウショウファルコは長く活躍したが、ツルマルミマタオーは菊花賞の後に屈腱炎を発症し、その後2戦して引退している。

気性にも問題があったツルマルミマタオーは、古馬になってレース慣れし晩成タイプであるグリーングラスの成長力も伴えば、かなり活躍できたはずだ。掲示板などでは「ギャロップレーサーでは簡単にG1を勝てる馬」という書き込みも多いが、それだけ強いパラメータが設定されていることからも、「強い馬」と認められていたことが分かる。

「ツルマル」の馬たち

ツルマルミマタオーは惜しくも重賞を勝つことはできなかったが、「ツルマル」の冠名馬では「ツルマルボーイ」がG1安田記念(2004年、他に2002年金鯱賞、2002年中京記念)を勝ち、ツルマルガール(1994年朝日チャレンジカップ)、ツルマルガイセン(1998年中日新聞杯、カブトヤマ記念)、ツルマルツヨシ(1999年朝日チャレンジカップ、京都大賞典)、ツルマルレオン(2013年北九州記念)が重賞勝ちを収めている。

今や見ることは無くなったが、「ツルマル」の馬は前記重賞勝ちした馬だけでなく毎年のように重賞を賑わす馬を輩出しており、関西ではかなり著名な冠名であった。親の名前を由来としないなど冠名そのものの是非を問われることもあるが、「一族」などと言われる冠名、それも「鶴丸」のようなベタベタの日本語冠名も興があっていい。

なかでも和名の王といった風格のある「鶴丸三股王」レベルの名前が、クラシックやG1を賑わせてくれると楽しい。「オルフェーブル」とか「イクイノックス」なんてのもいいが、「クロフネ」や「キズナ」といった和風の馬名って、なんかカッコよくて応援したくなる。

ダービーは2013年のキズナ以来、もう10年以上和名馬が勝っていない。その前となると1995年の「タヤスツヨシ」まで遡らなくてはいけない。さらにその前は「トウカイテイオー」である。「東海帝王」やっぱりかっこいい。今年のダービーあたり、和名馬狙ってみようかな。

著者プロフィール
このブログの運営と記事作成をしています。

Diomed(ダイオメド)といいます。1969年生まれのおっさんです。
競馬や馬券のこと、その他ギャンブルにまつわる話を思いつくままに書いています。

Diomedをフォローする
競馬
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました