PR

意外性の男、ナカヤマフェスタ

競馬
スポンサーリンク

夢の凱旋門賞

競馬界の「レジェンド」武豊が大目標とし常々「勝ちたい」と言っている凱旋門賞。あのディープインパクトでも3着(後に失格)だったように、数々の日本最強馬たちが挑戦するものの、2025年9月現在まだ日本馬が勝てないでいるレースである。

今まで(2024年)の日本馬最高位はエルコンドルパサー(1999年)、ナカヤマフェスタ(2010年)、オルフェーブル(2012年、2013年)の2位であるが、その着差はエルコンドルパサーが半馬身、ナカヤマフェスタがアタマ差、オルフェーブルがクビ差(2012年)、5馬身(2013年)である。

よって、凱旋門賞優勝に最も近づいたのはナカヤマフェスタということになるが、日本競馬の史上最強馬を選ぶとき必ず名前の出るエルコンドルパサー、オルフェーブルを超えるナカヤマフェスタとは、いったいどういう馬だったのだろうか。

ナカヤマフェスタと同期の馬たち

ナカヤマフェスタは「セレクトセール」で1,000万円で落札されたステイゴールドの産駒。近親に目立った産駒もおらず、母ディアウィンクは中央で20戦1勝という地味な血統で、ここまで活躍するとは誰にも思われていなかった。

デビュー戦の新馬戦は3番人気。妥当な評価であろうが、この新馬戦をあっさり勝利する。そして2戦目の東京スポーツ杯2歳Sで早くも重賞に挑戦する。単勝27.5倍の9番人気だったが、ここも勝利して一気にクラシックの有力候補となる。

しかし、年明けの京成杯で2着(1番人気)、セントライト記念で1着(2番人気)となるも、クラシック本番では皐月賞8着(1着アンライバルド)、ダービー4着(1着ロジユニヴァース)、菊花賞12着(1着スリーロールス)と苦戦することとなった。

なお、皐月賞馬のアンライバルドと菊花賞のスリーロールスは「伝説の新馬戦」と言われる新馬戦で一緒に出走している。その伝説の新馬戦の1着はアンライバルド、2着がリーチザクラウン、3着がブエナビスタ、4着スリーロールスという凄いメンバーだった。

そんな「伝説の新馬戦」の馬たちと同期になるナカヤマフェスタは、同期の中では地味なほうで、やはり同期の出世頭はG1を6勝(2着7回)し、牝馬ながら牡馬にひけをとらない大活躍をしたブエナビスタだろう。

なお、クラシックを勝った牡馬たちは、皐月賞馬アンライバルドは皐月賞後5連敗して引退、ダービー馬ロジユニヴァースもダービー後4連敗して引退、菊花賞馬のスリーロールスは次走の有馬記念で競争中止となる怪我でそのまま引退と、活躍できなかった。

初のG1勝利

ナカヤマフェスタも、菊花賞で12着のあと中日新聞杯で3番人気に推されるも13着と大敗。同期の牡馬たちと同じように活躍できないかと思わせた。しかし、休養を挟んだ翌年の初戦であるメトロポリタンSで快勝。なお、この間(前年の暮れ)に馬主である和泉信子は病で亡くなり、馬主は実父の和泉信一が継いでいる。

次のレースは宝塚記念と決めた陣営はステップレースを使わずに直行することを決め、大敗した菊花賞、中日新聞杯の戦績から長距離輸送に難があると考え、1週前追い切り直後に栗東に入厩をすることとした。

宝塚記念には、ヴィクトリアMを制したブエナビスタ、天皇賞(春)を勝ったジャガーメイル、重賞2連勝中のアーネストリーや、前年の宝塚記念覇者のドリームジャーニーなどの好メンバーが揃い、ナカヤマフェスタは単勝オッズ37.8倍の8番人気であった。

しかし、最後の直線、前で粘る1番人気のブエナビスタとアーネストリーを外からかわし、ナカヤマフェスタが先頭でゴール板を通過、初のG1勝利をものにし、レース後、凱旋門賞への挑戦を表明した。

凱旋門賞

凱旋門賞への遠征には1億円弱の費用がかかり、それは宝塚記念の馬主取り分(賞金1億3,000万の80%)とほぼおなじ金額になるが、馬主の和泉信一は「まあいいや」と参戦を決めたという。

ファンも(私も)そうだったと思うが、凱旋門賞でエルコンドルパサーが2着になったのはもう10年も前のことで、以降もマンハッタンカフェ(2002年、13着)、ディープインパクト(2006年、3着、後に失格)、メイショウサムソン(2008年、10着)らが挑戦するも苦戦しており、ナカヤマフェスタに大きな期待はかけていなかった。

フロックではないにしても、宝塚記念の勝ちをもってしてもまだ信頼できる成績ではなく、意外性の男というか人気してきっちり勝つという強い馬のイメージは全く無かった。

しかし、前哨戦となるフォワ賞で2着すると、本番の凱旋門賞でも、直線で不利がありながらもクビ差の2着とし、エルコンドルパサー以来となる日本馬最高の2着という成績を残した。

例年、凱旋門賞は観ていた私も、恥ずかしながらこの年のナカヤマフェスタのレースは観ていない。それほど、期待が薄かったし、これは私に限ったことではないと思う。

ナカヤマフェスタのその後

帰国後はジャパンカップに出走するも14着(2番人気。勝ち馬はローズキングダム)と大敗し、翌年はフォワ賞と凱旋門賞の2レースだけに出走するも4着、11着と精彩を欠いた。

2010年のメトロポリタンS(1着)、宝塚記念(1着)、フォワ賞(2着)、凱旋門賞(2着)という4走は、まさに超一流馬の軌跡である。この凱旋門賞2着後のワールド・サラブレッド・ランキングでは、世界6位とタイなる127ポンドを獲得しており、この時は世界的名馬だった。

凱旋門賞が行われるロンシャン競馬場に合う馬というのもいると思うし、ナカヤマフェスタのように期待薄でも好走できる馬もいると思う。なので、その時の最強馬だけでなく、色々な馬が参戦すれば日本馬初の凱旋門賞制覇に近づくのではないかと思っていた。

しかし、ナカヤマフェスタの後、2024年までにオルフェーブルを除く21頭が出走しているが、最高位はキズナ(2013年)とスルーセブンシーズ(2023年)の4着であり、うち14頭は2桁着順である。

やはり、そう簡単ではないようであるし、ナカヤマフェスタがいかにこの2010年は充実して強かったのかが分かる。その強さと意外性から、種牡馬として驚くような強い馬が出てこないかと期待するも、2013年産のガンコが日経賞、2017年産のバビットがラジオNIKKEI賞とセントライト記念を勝つに留まり、2023年に種牡馬を完全引退となった。

著者プロフィール
このブログの運営と記事作成をしています。

Diomed(ダイオメド)といいます。1969年生まれのおっさんです。
競馬や馬券のこと、その他ギャンブルにまつわる話を思いつくままに書いています。

Diomedをフォローする
競馬
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました