地方競馬の現状
地方競馬の話である。ただ、これから書くのは古い話なので、あまり参考にはならないかもしれない…
一般的に競馬と聞いてイメージするのは、JRAこと日本中央競馬会だろう。言わずと知れた売上3兆3,166万円(2023年)を誇る名実ともに日本を代表する公営競技である。オグリキャップ、ディープインパクト、武豊などは、競馬を見たり馬券を買ったりしたことが無い人でも聞いたことはあるだろう。
テレビのCMも、時の人を使ったいかにもお金を掛けてそうなものを大量に流しているから、競馬に興味が無い人でも、ああ、あのCMねと、頷いてくれるはずだ。しかし、日本の競馬は中央競馬だけではない。北は帯広・門別、南は佐賀まで、狭い日本に15場もの地方競馬場がある。
しかし、地方競馬は売上の低迷とともに衰退の一途を辿っており、2000年以降だけで12場もの競馬場が廃止されている。2011年の荒尾、2013年の福山を最後に廃止されていないが、まだまだ売上は中央競馬や最近売上を急上昇させている競艇と比べると少なく、その存続は盤石とはいえない。
園田競馬場
私は園田競馬場と大井競馬場の2場しか行ったことがないが、いずれは全て行ってみたいと思っている。大井競馬場は施設やその活気を見ても中央競馬と遜色なく、流石は地方の雄と感心したが、ここでは園田競馬場について書いてみたい。
しかし、それももう20年以上も前の事だから、今は随分と変わっているかもしれない。と思い調べてみると、やはりスタンドは改修されて綺麗になっているようだ。なので、ここからの話は昔の地方競馬の話として聞いてほしい。綺麗になった今も、その雰囲気や匂いは薄くとも引き継がれているものと思う。
中央と違い平日もやっている地方競馬は、パチンコ屋とともにいわゆるサボリーマンの二大聖地だが、私はちゃんと有給休暇を取って参戦した。予想どおりパドックにはスーツ姿の兄ちゃんと、セミプロならぬセミホームレスのようなジジイばかりで、思わずに微笑んでしまう。
パドックを闊歩する馬も中央では見たことのないような仕上がりで、中央から転厩してきた前走から+40キロとかいう牛のような馬や、ロバかと見紛うボサボサの毛の馬など、バラエティに飛んだ素晴らしいラインナップであった。
中央競馬のパドックは品評会といった風情で、レース前の張り詰めた空気がこれも心地良いが、地方のそれは見世物小屋は言い過ぎとしても、サーカスのように猥雑で煌びやかな、ほのぼのかつワクワクといった空気が堪らなかった。
まさかの圧勝
ちなみに、中央からきた牛のような転厩馬はレースを圧勝した。まあ、それくらい中央と地方の馬では血統にも実力にも開きがあるのだ。お昼になりお腹が空いたので、「海原やすよ・ともこ」の親戚みたいなおばちゃん2人がやっている定食屋みたいなところで、おでんを食べた。
すると、頼みもしないのに次のレースの予想を聞かせてくれた。あんたぁ、園田で買うんやったら、田中やで、田中。田中ちゅうても道夫(みちお)やないで、むーすーこっ。息子の学(まなぶ)やがなぁ。次のレースも田中学で間違いないでぇ。
タダで予想が聞ける園田、素晴らしい。もちろん、その頃、岩田康成(後に中央に移籍して大活躍)とともに無双していた田中学だから、おばちゃんの予想どおり来たのだが配当も低く、これじゃあ武豊だけを買うおばちゃんと何の変わりもない。
馬券を買う時に気をつけなければいけないのは締切だが、当時の園田はジリリリリと締切の音が鳴ってから窓口に走っても間に合うようで、周りのおっさんは皆んな音が鳴ってから買いに行っていた。
園田の謎肉
楽しい1日も終わり、またその日は珍しく私は数万勝ったので、みんなに奢ってやるよと言いつつ競馬場を出ると、門を出たところに大きな字で「ホルモン」とだけ書かれている、見たことのない形のよく分からない肉の串刺しを売っている。これがまたいい匂いで、怖いもの食べたさから買って食うと、ほんとに何だか分からない食感と味だったが、美味かった。
肝心なレースだが、やはり中央とは騎手の迫力が違う。そこが岩田康成なんかが、中央に移籍した後によくレースや馬を壊すなどと批判されたところでもあるが、勝負の世界、綺麗事ばかりではダメなんじゃないだろうか。
地方競馬、楽しいです。是非!

