意識の低い夫婦?
朝の未勝利戦なんかでは、たまにある、3連単が500円しかつかないようなレース。
人気どころで決まり、配当が画面に表示される。人気なので取った人も多く、とりあえず取った、当たったとの共感でほっこりする瞬間でもあるが、そうじゃない人も当然いる。
こないだ、競馬場で前に座っていた老夫婦、と書くとほっこりした仲良し夫婦のように見えるが、現実は(仲がいいかどうかは別として)賭場にはありがちの意識の低い輩(やから)夫婦である。
朝からストロングゼロとワンカップ、大量のマークシートとケツにひいているレーシングプログラム。書き間違えたマークシートは、足元にポイだ。こんな奴でもスマホだけはiPhoneだ。日本もまだ捨てたもんじゃない。
取ってもしゃあない
その、ばばあの方が言い切った。「3連単500円やて。こんなん取ってもしゃあない。」しかし、俺は思った。「いや、取ったほうがいいやろ。」
普通に考えて、当たってしゃあないということはない。500円しかつかないといっても、1万円賭けたら5万円になる。でも確かにこのフレーズ、昔からよく聞いた。やから界隈には響く言葉なのだろう。
でもやっぱり、この「取ってもしゃあない。」というのが、いくら考えてもよくわからない。オーラスで断トツのビリでピンフのみ1,000点をあがるのは、「あがってもしゃあない。」というのも分からないでもない。
3万突っ込んで、海物語でやっと当たったのがアンコウの時も「こんなん、当たってもしゃあない。」というものまだ分かる。あと、何点か買って押さえの3連単で安いのがきて「きてもしゃあない。」なら分かる。
しかし、件(くだん)のジジババは馬券を破って捨てていたから、トリガミってことも無さそうだ。
俺の負けや
ただ、よく考えればオーラスの1,000点も次の半荘に繋がるし、パチの単発も次の当たりを呼び込むかもしれない。そして、1万を5万なんかでない、トリガミのしょぼい当たり馬券だって、次の万馬券に化けるかもしれない。
「やっぱり当たってもしゃあないなんて事、あるかいな!」
と、見下すかのように改めて老夫婦を見た瞬間、じじいがばばあに「酒のつまみ買うてこい。」と言って出した財布。出したのは万札だし、チラッと見えたその中身は万札でパンパンだった。俺の負けや…

